2025年4月13日いよいよ大阪・関西万博が開催されます!
日本のみならず海外からの注目が集まるなか、開幕直前の2025年4月6日に爆発下限界を超えたメタンガスの発生が検知され、安全性への不安が広がっています。
え?大阪万博って開催して本当に大丈夫なの?と心配な人も多いのではないでしょうか。
本記事では、大阪万博で発生したメタンガス問題の背景、現在どのような対策が講じられていて安全なのかについて、最新の情報を詳しく解説します。
メタンガスの発生は、会場西側グリーンワールド工区内の地下に集中しています。心配な人は近づかなければ問題ありません!
大阪万博で発生したメタンガス問題は大丈夫なのか

大阪万博で2024年3月28日のメタンガス爆発につづき、開催間近である2025年4月6日グリーンワールド(GW)工区で基準値超えのメタンガスが検知されました。
30分ほどの換気で検知されなくなりましたが、開催して本当に大丈夫なのでしょうか?
メタンガスとは?
そもそもメタンガスはどういうものなのでしょうか?
メタンガスとは炭素と水素で構成される無色無臭のガスで、自然界では有機物が微生物により分解される際に発生します。
特に埋立地では土中の有機物が分解される過程でメタンが発生しやすく、その濃度が高まると引火・爆発のリスクが生じるのです。
爆発のリスクがある空気中の最低濃度である5%を超えると着火によって爆発が起きると言われています。
メタンガスが確認された2つの出来事
大阪・関西万博の夢洲会場では、これまでに2件のメタンガス関連事象が確認されています。
それは、2024年3月28日と2025年4月6日に発生しました。
いずれも夢洲の中でもグリーンワールド(GW)工区という特定のエリアで発生しており、場所の特性や安全対策の課題が浮き彫りになっています。
メタンガスは無色・無臭の可燃性ガスで、空気中で5〜15vol%の濃度になると爆発性を持ちます。
爆発下限界(LEL)である5vol%を超えると、引火源があれば爆発が発生するため、常に適切な換気とモニタリングが必要です。
この2件の出来事について詳しく見ていきましょう。
ワンポイント解説

爆発下限濃度(LEL)って何??
LELは、「この濃度以上になるとガスが空気中で爆発する可能性があるよ」というガスの危険ラインのことです。
メタンガスの場合、空気中に5%以上の濃度になると爆発の危険が出てきます。
この5%が「100%LEL」にあたります。
この爆発の最低濃度を爆発下限濃度(LEL)といい、これを100%とした割合で%LELが使われます。
2024年3月28日 グリーンワールド工区でのメタンガス爆発


*上記の赤でマーキングされた箇所が火災発生棟
最初の事象は2024年3月28日、グリーンワールド(GW)工区内のトイレ建設現場で発生しました。
地上階での作業だったため、地下配管ピット内のガス濃度は測定対象ではないと考え作業していたようです。
地下配管ピットを換気せずに火気を使用する作業を行ったところ、発生した火花が地下配管ピット内に滞留していたガスに引火し爆発が起きたと推測されています。
ガス爆発の背景と原因
夢洲はもともと廃棄物などを含む埋立地であり、地下に有機物が大量に堆積しています。
特に地下ピットや密閉空間では、有機物の分解が進むことでガスが局所的に発生しやすい環境です。
今回のガス爆発は、地下の配管ピット内のガス濃度測定をせずに地上で火気作業を行ったことが原因と思われます。
対策として講じられた安全管理
この事故を受け、万博協会は以下の対策を実施しました。
- ガス濃度測定の強化
作業前に、埋立ガスが滞留する可能性のある場所(床下配管ピット、天井内空間など)でのガス濃度測定を徹底 - 換気対策の強化
地下ピットの蓋を通気性のあるものに変更し、自然換気を常時実施 - 強制換気設備の導入
基準値以上のガス濃度が確認された場合は、送風機等による機械換気を実施 - メタン濃度基準の見直し
爆発下限濃度(LEL)の基準を30%LELから5%LELに厳格化し、安全性を強化



LELの基準が30%から5%に厳しくなったみたいだけど、よくわからないな~
LELは、「この濃度以上になるとガスが空気中で爆発する可能性があるよ」というガスの危険ラインのことです。
メタンガスの場合、空気中に5%以上の濃度になると爆発の危険が出てくるとされています。
この5%が「100%LEL」にあたります。
「%LEL」は、その危険ラインに対して今どれくらいの濃度があるかを示す単位です。
- 従来基準:30%LEL → メタンが「1.5%」の濃度で空気中にある
- 改訂基準:5%LEL → メタンが「0.25%」でもアウトという基準に変わった!



とても厳しい基準になったんだね!
安全性が強化されたのは安心できるね!
2025年4月6日 グリーンワールド工区でのメタンガス検知


*上記の赤でマーキングされた箇所がガス検知された場所
2025年4月6日万博会場のテストランが実施された日、元消防士である守口市の寺本健太市議がガス検知器を持参していました。
寺本市議が、グリーンワールド工区の屋外電気設備地下ピットを測定したところ、爆発下限界(5vol%)を超える濃度のメタンガスを検知しました。
周辺の立ち入り規制とともに約30分ほどの換気でガス検知されなくなったため、規制は解除されました。
なぜガス検知器が反応しなかったのか?
既に万博協会が設置していた固定型ガス検知器では、今回の高濃度ガスを検知できていませんでした。
その理由として、検知器の設置場所が限定的であり、地下ピットの特定エリアで局所的にガスが滞留していたため、空間全体のガス濃度を把握できなかったことが考えられます。
これを受け、万博協会が追加でどのような対策を取ったのか解説していきます。
万博協会の追加対策と来場者への影響


万博協会が取った追加対策とは?
2回目のガス検知が発生したことを受け、大阪万博協会は安全対策のさらなる強化を発表しました。
来場者が安心して楽しめるように、ガスモニタリングの強化や監視体制の見直しなど、徹底的な対策を講じています。
これまでの取り組みに加え、どのような改善が行われたのでしょうか?
- ガス濃度測定の場所を2か所から7か所に増設
- 測定頻度を1日1回から1日3回に変更
- ガス検知がされた周辺を立ち入りできないよう柵を設置
- フタを常時解放し、低濃度管理を維持
万博協会のメタンガス測定について


万博協会が2025年1月~3月にメタンガスを建物内と地下ピットで計測したデータがありました。
2025年1月に地下ピットで基準値以上の数値を検知したため、下記対策を取っています。
- 継続的に自然換気を実施
- 電気・通信設備の地下ピットの通気性を高めるため有孔蓋への交換
対策後は、基準値以上のメタンガスは検知されていません。*2025年4月3日情報


その矢先、またしても基準値超えの数値が出てしまいました。
安全な万博を楽しむために


大阪万博に訪れる際に気になるのは、「行って本当に大丈夫なの?」という点ですよね。
万博協会側も万全の安全対策をしておりガス発生地区には柵も設けてありますので、通常稼働であれば問題ないと考えます。
一方で、来場者ができる安全対策もありますので、それを解説していきますね。
来場者が取れる安全対策
来場者はどういった安全対策が取れるのでしょうか?
- タバコなどの火気を使わない
- ガス発生地区に柵が設置されているので近づかない
- ガス発生のあった西側のグリーンワールド工区に近づかない
メタンガスが心配な人は、ガスが発生している西側のグリーンワールド工区に近づかないがベストな選択肢です。
ちなみに、万博会場内は全面禁煙です。喫煙所は東ゲートの外2か所に設けられています。
万博協会側の対策に加え、来場者も安全意識を持って行動しましょう。
まとめ:大阪万博のメタンガスは大丈夫


夢洲という土地の特性上、メタンガスが発生するリスクを完全に排除することは困難です。
大阪万博協会は安全対策を強化し、ガス濃度モニタリングを徹底することで、来場者が安全に楽しめる環境作りに尽力しています。
特に2回目のガス検知を教訓として、モニタリングの強化や、監視体制の強化を進め事故が起きないように取り組んでいます。
不安に感じる人も多いと思いますが、たばこなどの火気を使わなければ問題になりません。
人生でなかなか経験できない万博体験をぜひ楽しんでください。